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渡邊華山.椿椿山描繪之人物畫(P)

渡辺崋山・椿椿山が描く人物画 : 19世紀の迫真 (レアリスム) に出会う

特展圖錄/田原市博物館/2005/21x29.5/日/167P/彩色圖版86幅/黑白圖版36幅

 渡辺崋山[わたなべかざん](1793-1841)は、三河国田原藩士の子として江戸に生まれた。蘭学にも精通したが、絵画においては、谷文晁に入門し、南宗画や南蘋画、西洋画法を学び、人物画とくに肖像画を中心に優れた作品を遺している。崋山の肖像画は、文人画家として、写実の追究の観点から描かれ、東洋の伝統的画法に西洋画法を組み込んだその作品群は、19世紀に到達した日本肖像画技法の大成として注目される。崋山の描いた「人物画」は、まず人物を目の前にして、「対看写照」により、西洋的な陰影をほどこして、その面貌を立体的に写生し、その人間性をとらえた作品の評価が高く、歴史上の人物を粉本などに則し、描写したものや中国故事を描いたものが数多くある。文政年間に入ると、実在の人物を描いた-肖像画を描くようになり、最後に描いた作品も「黄粱一炊図」という人物を主題とした作品であったことも有名なことである。崋山は武士・思想家としての面も持ち合わせ、その交流から描くべき人物も特定されるのも特徴的である。
 渡辺崋山が創出した肖像画様式を引き継いだ唯一の弟子と考えられる椿椿山[つばきちんざん](1801-54)の作品とあわせて「19世紀の迫真」を体感できる。

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